労働契約の成立と変更
労働契約の成立
労働契約は、労働者が会社に対して労働力を提供することを約束し、会社がその対価として報酬を与えることを約束することによって効力を生じます。労働契約が成立する時点は、労働者と使用者が双方合意をしたときです。
求人広告を見た人が電話で「雇ってください」と会社に申し入れ、会社が「それでは、採用します。明日から出社してください」と応えるだけで、契約は成立します。つまり、口約束だけでも労働契約は成立し、労働契約書などの書面を作成しなくても契約が成立することになっています。ただし、後日の労働紛争を防止するためにも書面による契約をお勧めします。
また、労働条件の明示は法定の方法のより明示しなければなりません。
労働契約の変更
会社の業績不振等の理由で、会社側が一方的に賃金の引き下げなどを行ったことによる労使トラブルが発生することがあります。
既に申したように、労働契約は使用者と労働者が双方合意して成立するものなので、使用者が労働者の労働条件を変更する場合は、事前によく説明し、個々の労働者の合意を取り付けておくことが、このようなトラブルを防ぐポイントになります。しかも、書面で署名、押印をもらうようにしましょう。 労働契約の変更が必要なときとは、例えば以下のような場合です。
- 正社員を、パートタイマーや契約社員にする
- 賞与や退職金を廃止する。または、約束していた額を減額する
- 基本給を引き下げる
- 手当てを廃止、または減額する
- 社員を転籍させる
- 期間契約社員の期間を短縮する
- パートタイマーの時給を引き下げる
- パートタイマーの出勤日数を減らす
などが考えられます。