2023年4月19日
副業・兼業について
近年、副業・兼業(いわゆるダブルワーク)を希望する方が増えています。
理由は様々ですが、収入を増やしたい、自分が活躍できる場を広げたい、スキルアップを
図りたい等々があるようです。
これまでは、ダブルワークは原則禁止としていた会社も多かったのですが、
厚労省により兼業・副業に関する考え方をまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
も出される等、近年は容認される会社が増えてきています。
企業の対応としては、判例などを踏まえれば、労働者が労働時間以外の時間をどのように
利用するかは、基本的には労働者の自由であるとされ、原則、副業・兼業は認める方向と
することが適当であるとしています。
その上で、
① 労務提供上の支障がある場合
② 業務上の秘密が漏洩する場合
③ 競業により自社の利益が害される場合
④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
は副業・兼業を禁止又は制限することができるとされており、就業規則においてきちんと
取り決めておくことが重要です。
また、その際に会社に対して申請・許可の手続きについても定めるようにしておくことも
必要だと思います。
労働時間の管理にも注意が必要です。副業・兼業先と合わせて法定労働時間を超えているか、
時間外労働と休日労働合計で単月100時間未満、複数月平均80時間以内の要件も
副業・兼業先と通算されます。(これに関しては「管理モデル」という簡便な管理方法を
導入することも認められています)
なお、36協定により定める延長時間の限度時間については通算されません。
この他にも安全配慮義務の問題や実際に発生した時間外労働の副業・兼業先も含めたカウントの仕方等、
事前に検討すべき項目も多い分野です。