2023年4月7日
出向について
当事務所にいただくご相談の中に、出向に関するご相談が時々あります。
今回は、この出向についての記事を書きたいと思います。
まず出向というのは、在籍出向と移籍出向がありますが、
在籍出向についてのご相談がほとんどとなっています。
在籍出向の場合、出向元及び出向先双方に雇用関係が発生すると考えられています。
この点、派遣元のみに雇用関係がある労働者派遣とは異なります。
在籍出向の場合は、それが可能な場合として以下の4つの場合があります。
① 労働者を離職させることなく、別の会社において雇用機会を確保するため
② 経営指導、技術指導の実施として行う
③ 職業能力開発の一環として行う
④ 企業グループ内の人事交流の一環として行う
以上のケースにおいて出向が可能となりますが、上記以外のケースにおいては、
労働者派遣事業許可を受けている労働者派遣事業や「労働者派遣事業と請負により行われ
る事業との区分に関する基準」に沿った形の請負業務以外は労働法において禁止されてい
る労働者供給事業に該当する可能性が出てきますので十分な注意が必要となります。
次に、在籍出向者の賃金の支払いや社会保険についてですが、まず賃金の支払いに関しては
出向元と出向先が協議の上、どちらが支払うか、または双方按分して支払うかなどを出向契
約書で定めることができます。
社会保険及び雇用保険は賃金を支払う方において負担することになりますが、労災保険については
出向先において保険料を負担することになっています。
最後に、出向を行う場合は、就業規則等に定めた上で、個別の同意を取るようにしていただ
けければと思います。