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人事・労務に役立つNews Letter  事務所便り2015年3月号

厚生労働省が高度プロフェッショナル制度、年休取得促進案などを提示

厚生労働省は、本年2月6日、労働政策審議会労働条件分科会で「今後の労働時間法制等の在り方について」報告書案を提示しました。この報告に基づき、労働基準法等の改正法案を作成し、平成28年4月からの実施を目指し、国会で審議するとのことです。

今後の労働時間法制等の在り方について(報告書案)の主要事項

1.中小企業の残業代の引き上げ

中小企業における月60時間超の時間外労働に対する法定の割増賃金率を、現在の25%から大企業と同水準の50%に引き上げる(この改正は、他の改正より3年遅れの平成31年4月から実施予定)。

2.年休の取得促進

年5日以上の年休取得が確実に進む仕組みを導入する。

3.フレックスタイム制の清算期間の上限の延長

清算期間の上限を現行の1か月から3か月に延長する。ただし、1か月の労働時間が1週間当たり50時間を超えたときは割増賃金の支払い対象とする。

4.特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)

(1) 対象業務
「高度の専門的知識等を要する」とともに、「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」などの性質を満たすもの。具体的には、金融商品の開発やディーリング業務、アナリストの業務、コンサルタントの業務、研究開発業務などの業務を提示。

(2) 対象労働者
• 書面による合意に基づく職務の範囲内で労働する者
• 平均給与額の3倍を相当程度上回ること(具体的な年収額は、有期雇用契約期間の例外対象となる、高度な専門的知識等を有する労働者(1,075万円)を参考とする)

(3) 健康管理時間に基づく健康・福祉確保措置等
事業場の内外で働いた合計の「健康管理時間」を把握しこれに基づいて措置を講じる。

【ア】健康管理時間に基づく健康・福祉確保措置として、労使委員会の5分の4以上の決議より、以下a~cのいずれかを講じることを制度導入要件とする。

a)24時間について継続して一定以上の休息時間を与える(勤務間インターバル規制)ものとし、かつ、1か月の深夜業は省令で定める回数以内とする
b)健康管理時間が1か月または3か月につき一定の時間を超えないこととする
c)4週を通じ4日以上かつ1年を通じ104日以上の休日を与える

【イ】健康管理時間が週40時間を超え、その超えた時間が月当たり100時間を超えた労働者については医師による面接指導を義務付け、これに違反した場合は罰則を適用する。

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妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する通達

男女雇用機会均等法、育児・介護休業法などでは、妊娠・出産、育児休業等を理由として不利益取扱いを行うことを禁止しています。 このことについて、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い等の相談件数が高い水準で推移していることや、平成26年10月23日に男女雇用機会均等法の適用に関して最高裁判所の判決があったことなどを踏まえ、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の通達(行政解釈)が改正され、必要な項目が追加されました。

妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する通達の概要

平成26年10月23日の最高裁判所の判決において、妊娠を契機としてなされた不利益取扱いは、原則として、男女雇用機会均等法が禁止する妊娠を理由とする不利益取扱いと解されるが、(1)業務上の必要性から支障がある場合であって特段の事情が存在するとき、(2)労働者の自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときには、違法性はないといった考え方が示されました。

※労働基準法に「妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければならない」という規定があります。この裁判は、その規定に基づいて行われた軽易な業務への転換を契機として、請求をした女性労働者を降格させた事業主の措置について争われたものです。なお、この裁判では、諸事情に照らして、例外には該当せず、違法性があるとされました。

その最高裁判所の判決での考え方を、妊娠のほか、出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いにも取り入れるため、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の通達において、次のような内容が明確化されました。

妊娠・出産、育児休業等を「契機として」不利益取扱いを行った場合

※「契機として」は基本的に時間的に近接しているか否かで判断

原則 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法に違反
(妊娠・出産、育児休業等を「理由として」不利益取扱いを行ったと解される)
例外(1) 業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、
その業務上の必要性の内容や程度が、法の規定の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在するとき
違反には
当たらない
  契機とした事由又は当該取扱いにより受ける有利な影響が存在し、かつ、当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、
有利な影響の内容や程度が当該取扱いによる不利な影響の内容や程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれば同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき

前例があり、通達にも明記されたので、上記のルールは守る必要があります。必要性があるか、合理性があるかは、個人で判断するのは難しいので、迷うことがあれば、気軽にご相談ください。

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お仕事カレンダー 3月

3/10

一括有期事業開始届の提出(建設業) 主な対象事業:概算保険料160万円未満でかつ請負金額が1億9000万円未満の工事

2月分の源泉所得税、住民税特別徴収税の納付

3/15

●3/15は所得税・贈与税の申告・納税期限

所得税の確定申告書の提出

所得税の更生請求(前年度分)

個人青色申告承認申請所の提出(新規適用のもの)

確定申告税額の延納の届出書の提出

所得税確定損失申告書の提出

贈与税の申告(前年度分)

個人の道府県民税・市町村民税の申告

個人事業税の申告

3/31

2月分の健康保険料、厚生年金保険料の納付

個人事業者の消費税の確定申告

1月決算法人の確定申告・7月決算法人の中間申告

4月・7月・10月決算法人の消費税の中間申告

あとがき

今年も様々な法改正が予定されていますが、ストレスチェック制度導入やマイナンバー制度導入など特に大きなものが控えています。これらへの対応が不可欠になります。

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特定社会保険労務士とは

紛争解決手続代理業務試験」に合格し、使用者と労働者間の労働トラブルに対し、労働局の紛争調整委員会や県の労働委員会等の場において行われる「裁判外の紛争解決手段(ADR)」のあっせん代理権(国家資格者)を持つ社会保険労務士のことです。

サービス提供地域

神戸市・明石市・播磨町・加古川市・高砂市・姫路市・太子町・たつの市・相生市・赤穂市・宍粟市・神崎郡・朝来市・加西市・西脇市・加東市  ほか周辺市町