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人事・労務に役立つNews Letter  事務所便り2014年8月号

ストレスチェック制度などの創設(労働安全衛生法の一部を改正)

最近の経済社会情勢の変化および労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康の一層の確保を図るため、労働安全衛生法の一部を改正することとされました。  具体的には、次のような改正を内容とする「労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)」が、本年6月25日に公布されました。

労働安全衛生法の一部を改正する法律の概要

  改正事項 施行時期
1. 化学物質管理のあり方の見直し 公布の日から起算して2年以内
2. ストレスチェック制度の創設 公布の日から起算して1年6か月以内
3. 受動喫煙防止対策の推進 公布の日から起算して1年以内
4. 重大な労働災害を繰り返す企業への対応 公布の日から起算して1年以内
5. 外国に立地する検査機関等への対応 公布の日から起算して1年以内
6. 規制・届出の見直し等 公布の日から起算して6か月以内

このうち、「ストレスチェック制度の創設」と「受動喫煙防止対策の推進」については、平成23年12月にも、両制度の導入を盛り込んだ改正法案が国会に提出されましたが、一度は廃案とされたという経緯があります。
しかし、労働者の安全と健康の確保のためには欠かせない制度ということで、一部修正の上、今回正式に導入されることになりました。
これらは、一般的な事務所を含むすべての業種について適用される規定であり、要注意です。概要は次のとおりです。

◆◆ストレスチェック制度の概要◆◆

◆労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付ける。ただし、従業員50人未満の事業場については、当分の間、努力義務とする。

◆ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じなければならないこととする。

◆◆受動喫煙防止対策の概要◆◆

◆受動喫煙防止のため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを努力義務とする。

ストレスチェック制度については来年の12月ごろ、受動喫煙防止対策については来年の6月ごろまでには施行されます。まだ期間はありますが、近い将来、会社にこのような義務または努力義務が課されることになることは、知っておいた方がよいでしょう。具体的な制度内容などについては、ご質問ください。

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本年10月から、企業型の確定拠出年金の拠出限度額が引き上げられます

企業型の確定拠出年金の掛金には、拠出限度額(上限)が設けられていますが、その拠出限度額が、本年10月から引き上げられることになりました。

  改正前 改正後
(1)企業型の確定拠出年金の加入者であって、次の(2)以外の者 月額
51,000円
月額
55,000円
(2)企業型の確定拠出年金の加入者であって、他の企業年金(確定給付企業年金など)に加入している者等 月額
25,500円
月額
27,500円

注.従業員(加入者)の拠出を認めるマッチング拠出を採用している場合、次のようなルールがあります。

  • 加入者の掛金を設定する場合、その額は、事業主の掛金を超えないようにする。
  • 拠出限度額は、事業主の掛金と加入者の掛金の合計額に適用される。

確定拠出年金を導入している場合、掛金の額の引き上げが可能となりますが、規約の変更が必要となることにご注意ください(マッチング拠出の場合、上記のルールにも注意が必要です)。

【参考】確定拠出年金の概要

○確定拠出年金は、事業主または加入者が掛金を拠出し、その掛金(年金資産)を加入者が自己責任で運用し、その運用実績に基づいて給付額が決定される年金制度。

○個人型と企業型の2種類がある。

○加入者が転職した場合等に、自己の年金資産を、個人型の確定拠出年金または他の企業型の確定拠出年金に移換することが可能。

  メリット デメリット
事業主側 ○掛金の追加拠出義務は生じない
○退職給付債務に基づく会計処理は不要
○税制上、事業主が拠出した掛金は、全額損金算入
×加入者ごとの詳細な資産運用の記録等の管理が必要
×資産運用状況が良好であっても掛金は軽減できない
×加入者に対して投資教育が必要
従業員側 ○加入者ごとの年金資産が明確
○運用方法や資産構成割合を選択できる
○運用が好調であれば高い給付が期待できる
○税制上、加入者が拠出した掛金は、全額所得控除
×運用成績により給付が変動するため、将来の退職後収入としての保障が劣る
×運用リスクを負う

☆今回の企業型確定拠出年金の拠出限度額引き上げの背景には、「貯蓄から投資への転換」の推進の観点に加え、「公的年金給付のスリム化」、「厚生年金基金の大幅縮小」に伴う受け皿制度の整備の観点からの要望が高かったことがあります。このような経緯から、政府が確定拠出年金制度の導入を推進していることが窺えます。実際に、退職金制度を廃止して、確定拠出年金に移行するケースも増えており、中小企業でも普及が進んでいるという特徴があります。確定拠出年金を導入していない場合でも、その概要は知っておきたいところです。

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お仕事カレンダー

8/10

一括有期事業開始届の提出(建設業)  主な対象事業:概算保険料160万円未満でかつ請負金額が1億9000万円未満の工事

7月分の源泉所得税、住民税特別徴収税の納付

8/31

7月分健康保険料・厚生年金保険料の納付

個人事業税の納付<第1期>

6月決算法人の確定申告・12月決算法人の中間申告

9月・12月・翌年3月決算法人の消費税の中間申告

個人事業者の当年分消費税の中間申告

個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期>

あとがき

最新の完全失業率の全国平均が発表されました。景気回復の影響もあり、3.5%という16年ぶりの低水準だったそうですが、裏腹に少子高齢化も手伝って企業側は人材の確保が難しくなるともいえます。これからは、今いるスタッフの皆さんの成長がより重要になってまいります。そういう意味でも計画的な人材教育が大切となると考えています。

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特定社会保険労務士とは

紛争解決手続代理業務試験」に合格し、使用者と労働者間の労働トラブルに対し、労働局の紛争調整委員会や県の労働委員会等の場において行われる「裁判外の紛争解決手段(ADR)」のあっせん代理権(国家資格者)を持つ社会保険労務士のことです。

サービス提供地域

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